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EC物流の基本

基本的なEC物流の流れ

ECを利用して物販事業を始め、少し軌道に乗ってきたかな、というタイミングで一度は物流のアウトソースを検討したことはあるのではないでしょうか?事業がうまく行けば行くほど、商品開発やマーケティング、資金の確保などやらなければいけないこと、もっとやりたいことは増えていきどうしてもオペレーションに割ける時間は減っていきます。そのなかで物流は体を使う業務ですし、品質を数字で表現しやすいのでアウトソースに向いております。

しかし、いざ実際にアウトソースに向けて見積もりを取って見たり、物流会社と話をすると意外と専門用語が多くて結局どうしたらいいのか、良く分からなくなるなんてこともしばしば起こります。今日はそんな時に物流会社と会話がしやすくなうようにEC物流の基本的な流れを簡単に説明します。

物流業務の項目について

物流をわかりやすく理解するでもご紹介しましたが物流は大きく分けて、保管と荷役と輸送の三つに分かれます。これはECの物流でも同じです。一つずつ紹介します。

保管の項目

①保管

商品の保管に係る費用。倉庫賃料、保管荷役料、火災保険料、システム関連費用を原価とする。

保管はモノを売れる状態(価値)を保全しておく業務です。イメージとしてはモノを大事に「何もしないで」置いておくことですので、コストのほとんどは倉庫賃料です。ここまでは非常に簡単ですが、いざ実際に費用項目として考えると結構分かりづらかったりします。

保管費用の請求方法は代表的なものでも(1)坪貸し、(2)個建(ピース・ケース・パレット)、(3)立米建とあります。

坪貸しは使用するであろうスペースを予め確保しておく方法で物量の増減が不安定な時に提案されることが多いです。

個建の請求は物流費を変動費化することができるので波動の大きい時に提案されることが多いですが、多少割高になります。

立米建は個建と同じような特徴ですが、商品のサーズがマチマチであって、一つ一つの商品のサイズが未確定な時に提案されることが多いでう。ECではこの請求方法が一番多く、実際には立米ではなく三辺の長さの合計別に物流単価が決まっているケースが多い印象です

荷役の項目

①入荷

商品の倉庫への入荷に係る費用。荷役料、システム関連費用を原価とする。

入荷業務は商品がトラックで倉庫に届いた時にトラックから倉庫に荷降ろしをする際に発生する費用です。これは大きく分けて(1)トラック(コンテナ)入荷と(2)ケース入荷に分かれます。多くの倉庫がそれぞれで単価を持っています。

②入荷検品

商品の品番、数量、(品質)の確認に係る費用。荷役料、システム関連費用を原価とする。

入荷検品の業務は倉庫に商品が入った際に行われる検収作業です。倉庫への入荷時に売買契約における商品の引き渡しが成立することがあります。そのため、荷主としての誤った商品や数量違いを避けるために行われます。(1)外装検収、(2)数量検品、(3)内容検品/員数検品があり、順に費用は高くなりますが検品の精度も高くなります。どの検品を行うかは商品の価格や仕入先の信頼度によって変わっていきます。

③ピッキング:商品の出荷準備に係る費用。荷役料、システム関連費用を原価とする。

ピッキングは倉庫内の荷役でもっとも工数のかかる作業の一つです。業務としては受注や出荷指示に基づいて商品を単品の保管棚やネスラックや重量ラックと呼ばれるパレット用の保管棚に取りに行き、指示通り出荷できるように荷揃えします。複数のオーダーを同時に作業するトータルピックや受注単位で作業するオーダーピッキング、大きなロットで複数の届け先に出荷する時のアソートピッキングなど、色々と種類があります。このあたりはまたの機会にご説明します。

④出荷検品

商品の品番、数量、(品質)の確認に係る費用。荷役料、システム関連費用を原価とする。

入荷検品の内容検品、員数検品と同様の作業を出荷時にも行い、届け先に間違った商品を出荷しないように再度の検品を実施します。ECのお客様の場合は特に納品誤差のサービスレベルに与える影響が大きいので基本的には実施されることが多いです。また、ここでは検品と同時に出荷物の内容明細を検品内容から作るのが一般的で商品に同梱されている納品明細はここで作られます。

⑤梱包

商品の封緘に係る費用。荷役料、システム関連費用を原価とする。

出荷検品が終わるといよいよ箱詰めをし、送り状を貼付し運送会社に引き渡されます。ECの物流では購買時の販売セット率によって作業工数が大きく変わってくるので、ピッキング費用とは別に梱包費用を請求することがあります。これは一人のお客様が複数の商品を購入する場合と単品で購入する場合の比率によって決まってくることが多いです。

輸送の項目

①輸送・配送

商品の移動に係る費用。車両代、燃料代、ドライバー人件費等を原価とする。

昨今、何かと注目度の高い輸送・配送ですが取り沙汰されているのはドライバー不足による配送料の高騰です。実は配送料の高騰については単純なドライバー不足だけが原因ではないのですが、趣旨がずれてしまうので、またの機会にこの辺りも説明します。ただ、EC事業を営む上でこの輸送・配送はサービスの生命線であり、また、費用負担がかなり大きな部分ですので今後の動向にも注意が必要です。

ここまで今回はECで物流を外注する際にも最低でも身につけておきたい知識をご紹介しました。物流も仕組みを理解すると荷主企業側にも物流企業側にもメリットは出てきます。相互理解によって良い関係を構築して頂ければと思うので、何かの参考になっていれば幸いです。

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